バタン!!
という乱暴な扉の開く音とともに、何かがあたしをめがけて駆け寄ってくる。
そしてそのまま飛びついてきた!
あたしは避けることもできずに、呆然と飛び込んできたものを見つめた。
小さな女の子だった。
4歳くらいかな、パジャマ姿で、寝起きでぼさぼさの、あたしみたいなくせのある髪の子。

女の子はがばっとあたしを見上げると、愛らしい声と笑顔で衝撃の一言を言い放った。

「まま、おはよう!」




まま?
ままって、
あたしが?!




思考が停止した。



「まま、どーしたの?」
女の子は無邪気に微笑んであたしの顔を覗き込む。
どーなってるの一体?!
女の子は何か期待したような目でこちらを見上げているし、
っていってもあたしにはこの子を産んだ覚えもないわけで。
「えっと・・・」

とりあえずそう呟いたとき、隣でむくりと影が起き上がった。



あたしの目に飛び込んできたのは。
見間違えようもない。
その人だった。


漆黒の髪。
うらやましいくらい白い肌。
見慣れないパジャマ姿。
不機嫌そうにこちらを見るその眉目秀麗な顔立ち。



そう、紛れもなく
慇懃無礼で愛想なしなSPRの所長様だったのです(涙)